マンションの住み替えで損をしない、売却・購入の進め方やお金の知識について解説します!
目次
はじめに
こんにちは、エステートプランです!
結婚や出産などのライフステージの変化で、今のマンションが手狭になり、住み替えが必要になるかもしれません。ただでさえ、手間のかかる売買を同時進行で行うのは大変です。
そこで今回は、住み替えに伴うマンションの売却・購入の手続きや、住宅ローンなどのお金に関する知識を徹底解説。
注意点やポイントを参考に、初めてでも損をしないように賢く住み替えましょう。
マンションの売却と購入の進め方
マンションの住み替えは、売却と購入の両方を行います。
どのような手順で行えば良いのでしょうか。
通常のマンションの売却と購入、それぞれの進め方を見ていきましょう。
1.マンション売却の流れ
マンションの売却は、主に以下の流れで行われます。
➀マンションの査定~媒介契約の締結 ②販売活動 ③売買契約締結~引き渡し
➀マンションの査定~媒介契約の締結
まず、不動産会社にマンションがいくらで売れるのか、査定を依頼します。
この際、できるだけ多くの不動産会社に依頼することが重要です。マンションを売却することは、個人で行うことも不可能ではありませんが、買い手が見つからないことや手続きが複雑なことから、不動産会社に仲介を依頼する人がほとんどです。
複数の会社に査定を依頼することは、査定結果を比較して売却価格を決めるだけでなく、信頼できる不動産会社を見極めるためにも重要です。仲介を依頼する不動産会社を決めたら、媒介契約を結びます。媒介契約を結んだら、マンションの販売活動が始まります。
➁販売活動
不動産会社がインターネットやチラシでの広告を出しますので、売主は購入を検討している人が現れたら内覧に応じます。内覧は、売れるかどうかを左右する重要なポイントです。
好印象を与えるために、事前に部屋の掃除や不要品の処分を済ませておきましょう。立ち会いの有無は場合によりますが立ち会う場合は、できるだけ相手の希望日程に合わせられるようにしてください。
➂売買契約締結~引き渡し
購入者が決まり、マンションの売却金額が決まったら、売買契約を結びます。売買契約締結後は、買主による住宅ローンの本審査が行われます。審査の承認が得られたら、決済~物件の引き渡しへと進めます。
2.マンション購入の流れ
通常のマンション購入の流れは以下の通りです。
➀物件探し~内覧 ②売買契約締結~ローン審査 ③決済~引き渡し
①物件探し~内覧
資金計画を立て、購入するマンションの予算が決まったら、希望する間取りや広さ、周辺環境などの希望条件をピックアップします。インターネットやチラシで物件を探します。気になる物件があれば内覧を申し込みましょう。
購入したい物件が決まったら、買付申込書を提出します。購入申し込みの前後に住宅ローンの事前審査を済ませておくとスムーズです。
②売買契約締結~ローン審査
買付申込書の提出後、売買価格や引渡し時期等の条件の折り合いがついたら売買契約を締結します。契約後、住宅ローンの本審査に入ります。売買契約時には手付金を支払いますが、住宅ローンの本審査に落ちた場合は解約になることもあります。
そのため、住宅ローンが否決された際には売買契約を白紙に解約できる「住宅ローン特約」を契約に盛り込むことが重要です。
もし、本審査に通らず売買が成立しなかった場合、手付金は返却されます。
➂決済~引き渡し
住宅ローンの本審査が承認されれば、決済と引き渡しを行います。
損をしないマンション住み替えのタイミングは?
マンションの住み替えに、最適なタイミングはありますか?
もちろん、住み替えするのに最適な時期は、住み替えする必要が出てきた時期です。
ですが、それ以外にも住み替えに向いているタイミングがあります。
それは、住宅ローンやマンションの修繕費など、お金の面から考えたタイミングです。住み替え時期をお金の面から考えると、以下のタイミングが挙げられます。
➀大規模修繕前 ②築 20 年程度 ③住宅ローン控除の期限が切れる頃
➀大規模修繕前に住み替えする
一般的に、マンションは建物を維持・管理するために 10~15 年ごとに大規模な修繕工事が行われます。このための資金は、毎月住民から集められ、修繕積立金として積み立てられます。
修繕積立金は、修繕費を見積もって決定するため、大規模な修繕で想定以上の費用がかかると積立金が増加し、老朽化が進んだマンションは修繕積立金が高くなる傾向にあります。
そのため、住み替えを検討する場合は、次回の大規模修繕の 2~3 年前をおすすめしております。 修理費が上がる前に売却しやすいので、このタイミングで検討すると良いでしょう。
②築 20 年程度を目安にする
築年数は、マンションの売却価格に大きな影響を与えます。新築優先の日本では、一般的に新築時が最も価格が高く、築年数が経つにつれて価格が下がります。
ただし、築年数が一定以上になると、販売価格の下落率が緩やかになっていきます。
以下のデータが参考になります。
〈三井住友トラスト不動産 マーケット情報より〉
2011 年における中古マンション坪単価
築 1 年…261.4 万円
築 10 年…203.8 万円
築 20 年…149.9 万円
築 30 年…147.6 万円
築 40 年…142.1 万円
これを見ると、築 20 年までは下落幅が大きいですが、それ以降は下落の幅が小さくなっています。
高値で売却するタイミングを考えると、築 10 年~20 年くらいが買い手を見つけやすいようです。
築 20 年以上の物件が売れないわけではありませんが、古くて見栄えが悪く、住宅設備も老朽化しています。売るためには、設備の交換やリフォームなどの工夫が必要です。
また、築年数が経つほど売却が難しくなるため、早めの決断が重要です。
③住宅ローン控除の期限が切れる頃に住み替えする
マンション購入のために住宅ローンを組むと最大 13 年間(中古マンション購入の場合は 10 年間)、年末のローン残高の 0.7 %が所得税と住民税から控除されます。
この制度を最大限に活用するために、住み替えの時期は控除が終了する 13 年(10 年)以降にするのが 1 つの目安です。住宅ローン控除の上限額は購入される物件によって異なりますが、年間約 14 ~30 万円です。
13 年間の累計控除上限額は最大 300 万円を超え、たいへん利用価値の高い制度です。売却時には、住宅ローンの控除期間が何年なのか、いつ控除期間が満了するのかを確認しましょう。
マンションの住み替えにかかる諸費用
ローンの他に、マンションの住み替えにはさまざまな費用がかかります。
諸費用だけでもかなりの金額になるので、事前にいくら必要かを把握して資金不足にならないよう気を付けましょう。
マンションの売却・購入・引っ越しにかかる費用について、説明していきます。
1.マンション売却費用
一般的に必要なのは下記の費用です。概ねマンション売却価格の 1 割程度かかると考えるとよいでしょう。
・印紙税…1,000 円~60,000 円(売却価格による)
・仲介手数料…売買価格の 3%+60,000 円+消費税(売却額 400 万円以上の場合)
・登記費用…10,000 円~20,000 円程度(抵当権抹消登記)
・ローン一括返済手数料…5,000 円~30,000 円程度(金融機関により異なる)
また、売却益に対して譲渡所得税が課税されますが、投資目的ではなく住宅用として売却した場合の利益は、3,000 万円まで控除されます。
2.マンション購入費用
購入時にかかる費用も、一般的にマンション購入価格の 1 割程度が目安になります。
マンション購入時、住宅ローン契約時、マンション購入後、それぞれの段階でかかる費用に分けてみていきます。
〈マンション購入時にかかる費用〉
・印紙税…1,000 円~60,000 円(契約金額による)
・固定資産税…固定資産税評価額×1.4%(軽減制度あり)
・都市計画税…固定資産税評価額×0.3%(市街化区域内にある場合のみ・軽減制度あり)
・登記費用…100,000 円~200,000 円(所有権移転登記+抵当権設定登記)
・仲介手数料…取引価格の 3%+60,000 円+消費税(取引額 400 万円以上の場合)
※固定資産税と都市計画税は、引渡日から年度末までの残日数に応じて日割り計算されます。
〈ローン契約時にかかる費用〉
・事務手数料や保証料…借入金額の 1%~2%程(金融機関により大きく異なる)
・印紙税…1,000 円~60,000 円(ローン金額による)
〈マンション購入後にかかる費用〉
・不動産取得税…住宅の固定資産税評価額-控除額×税率 3%(軽減制度あり)
3.マンション住み替えにかかる費用
住み替えには以下のような費用がかかります。
・仮住まいの家賃 ・退去時の清掃費用 ・引っ越し費用(2 回分)
購入したマンションに引っ越すまでの仮住まい期間や、引っ越しのタイミングによって費用は大きく異なりますので、資金計画に含めることを忘れないでください。
マンション住み替え時のローンに関する手続き
マンションを売却して引っ越しをするためには、住宅ローンを完済しなければなりません。
ローンの残債は売却したマンションの代金で一括返済するのが一般的ですが、完済できない場合は自己資金や「住み替えローン」を利用して住み替えることもできます。
1.住宅ローンと住み替えローンの違い
通常の住宅ローンは、マンションの購入額を上限として融資されます。
一方、住み替えローンは、マンションを売却しても返済しきれない現在のローン残高を合算することで、次のマンションの購入資金に充てることができます。
例えば、2,000 万円のマンションを 1,500 万円で売却し、3,000 万円のマンションに住み替えるためには、通常差額の 500 万円を自己資金で支払い、3,000 万円の住宅ローンを組む必要があります。
住み替えローンを利用すると、ローン残高と新しいマンションの購入費用の合計で 3,500 万円のローンが組めます。
ただし、住み替えローンには以下のようなデメリットがあります。
・ローン審査が厳しい ・金利が高い ・売却と購入の精算日に条件が付く場合がある
住み替えローンの融資額は「売却後の残債+新居の価格」で、担保になる新居の価格以上の借り入れとなります。
そのため年収、勤務先、ローン返済歴などを厳正に審査し、通らない可能性もあります。審査を通過して融資を受けても、通常の住宅ローンよりも金利が高いことが多いため、返済額が高くなり、「売却と購入を同日に精算する」という条件が付く場合がある点にも注意が必要です。
住み替えローンを利用する際は、条件をよく確認し、無理のない返済計画を立てることが最も重要です。
2.ローン残債によっては売却できない場合もある
マンションに住み替えをする場合、ローンの残高によっては売却できない場合があるので注意が必要です。
すでに説明したように、マンションを売却して住み替えするには、ローンの残債を完済する必要があります。
これは、住宅ローンを組むと物件に抵当権が設定され、住宅ローンを完済するまで住宅ローンを解約することができないためです。
住み替えの手順は、以下の 3 パターンがあります。
①「購入」と「売却」を同時に進める
②「売却」してから「購入」する
③「購入」してから「売却」する
このうち、②売り先行についてはあまり心配する必要はありませんが、①同時進行、③買い先行では、ローン残債によりマンションが売れない可能性があります。
マンションの売却ができないと大変です。そんな事態にならないように、余裕を持って資金計画を立てることが重要です。
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まとめ
・マンションの住み替えでは、売買を同時に行う必要があるため、手続きやタイミングによっては損をしてしまうこともあります。また、ローン以外にも様々な出費がありますので、余裕のある資金計画を立てることが大切です。
・特に重要なのは、マンションを売却したときにローンを完済する必要があることです。 売却代金で完済できない場合は、住み替えローンを利用するか、売却自体できないこともあります。
・マンションの住み替えがうまくいくかどうかで、その後の生活が大きく左右されます。 事前に手続きやお金の不安を解消し、スムーズな住み替えを実現してください。
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