親族間での不動産売買のポイント
はじめに
こんにちは、エステートプランです!
不動産を親族間で売買する場合、例えば親から子への譲渡や兄弟、親戚間での取引が該当します。このような親族間の売買は、相続対策や遺産相続に関連して行われることが少なくありません。
しかし、親族間での不動産売買には注意すべき点があります。不動産取引には「贈与」と「売却」の2つの形態があるためです。「適正な価格で売買しているので贈与には当たらない」と考える方もいるかもしれませんが、実際には金額が設定されていても贈与と見なされる場合があるのです。
今回は、親族間での不動産売買について詳しくご説明します。
親族間で不動産を売買する際のポイント
不動産の売買において、相手が第三者であれ親族であれ、売却そのものに違いはありませんが、問題となるのは価格の設定です。
第三者との取引では、売り手はできるだけ高く売りたいと考え、買い手は安く購入したいと考えるのが一般的です。しかし、親族間での売買の場合、売り手が高く売ろうという意識が薄いため、適正価格で取引が行われないことがあります。
売買価格は売り手と買い手の合意によって決まりますが、親族間ではその価格が低く設定されがちです。このようなケースでは、実際に売買が成立していても、通常の市場価格との差額が「みなし贈与」と見なされることがあります。
例えば、通常5,000万円程度の物件が1,000万円で親族間で取引されると、4,000万円分の利益を得たことになります。この場合、差額に対して贈与税が課税されるため、最終的に大きな負担が生じることになります。
相場に近い価格での取引であれば問題ありませんが、極端に低い価格で売買が行われる場合には注意が必要です。安く購入した分の差額が、購入者が得をしたと見なされ、結果として贈与税が発生することになります。みなし贈与は相続税法第7条に基づいており、不動産の価格設定には十分な注意が求められます。
親族間売買での適正価格を設定するポイント
親族間での価格設定は難しいことですが、第三者との取引と同じ価格で売買することが、贈与税を避けるための基本的なルールです。しかし、親族間での価格設定には明確な基準がなく、以下の4つがポイントとなります。
① 不動産業者による適正価格での売買
② 不動産鑑定士による鑑定価格での売買
③ 路線価の1.25倍での価格設定
④ 路線価に基づく価格設定
不動産業者や不動産鑑定士に査定を依頼する方法も有効ですが、査定額が高くなる傾向があり、親族間売買の売り手の感情に合わせるのが難しい場合もあります。
また、路線価を基準にした価格設定は、実際に公表されているエリアの相場に基づいており、適正価格から大きく乖離することは少ないため、安心感があります。
親族間不動産売買の手続きと注意点
親族間での売買でも、不動産取引には所有権の登記や契約書の作成が必要なため、個人間での取引は実際には簡単ではありません。また、贈与税が課税されないようにするためには、適正な価格設定に関する専門的な知識が欠かせません。
通常、契約書の作成や登記手続きは司法書士に依頼し、適正価格の判断については税理士に相談するのが理想的です。
さらに、住宅ローンを利用する場合、金融機関から重要事項説明書の提示を求められるため、不動産仲介業者を通じて取引を進める必要があります。その場合、買い手と売り手の両方が不動産業者に仲介手数料を支払うことになるため、その点についても十分に理解しておくことが重要です。
まとめ
親族間での不動産売買を安易に進めてしまうと、贈与税が課税される可能性があり、思わぬ費用がかかることになりかねません。売り手としては、親族だからこそ安価で譲りたいという気持ちがあるかもしれませんが、税金の問題も考慮し、適正な価格で取引できるように準備することが大切です。また、不動産取引には専門的な知識が求められることが多いため、専門家に相談することが、後々のトラブルを避けるために有効な方法と言えるでしょう。
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