不動産の売却、査定価格の算出方法を解説 !
目次
はじめに
こんにちは、エステートプランです!
不動産売却の第一歩は査定です。
できるだけ高く査定してもらい、家を高く売りたいと思うのは当然です。
今回は、この査定方法について詳しくご説明します。
査定方法の種類や査定額の算出方法、高額査定してもらうためのポイントなどをご紹介します。
家の査定方法は「簡易査定」と「訪問査定」がある
家の査定方法には「簡易査定」と「訪問査定」の 2 種類があります。それぞれの特徴とメリット・デメリットをご紹介します。
簡易査定(机上査定)
物件を直接見ずに、住所や面積、建物の構造、築年数、方角、階数などのデータをもとに、類似条件の物件の過去の売買情報を比較し、査定評価額を算出する方法。
〇メリット
電話やインターネットで情報を伝えることで、手軽ですぐに査定できるのは大きなメリットです。インターネットの無料査定サイトを利用して、複数の不動産会社に一括査定依頼することも可能です。最短で当日~翌日に査定結果を知ることができます。
□デメリット
敷地や物件を実際に見ずにデータのみで査定を行うため、「日当たりが悪い」「最寄り駅からの道が薄暗い」「騒音が大きい」などの個別事情を考慮しにくい点に注意が必要です。特に個性度の高い一戸建ては、正確な査定額を出すのが難しいと言えます。
都心部の場合は、似たような条件のマンションが多いため、過去の情報をもとに精度の高い査定結果が期待できる場合もあります。
訪問査定(詳細査定)
簡易査定でデータをもとに査定を行った上で、実際に物件を調査して査定額を求める方法です。
〇メリット
住宅の劣化状況や周辺環境など個々の事情を細かく確認した上で査定を行うため、単純な査定よりも正確な査定価格を出すことが可能です。
□デメリット
デメリットは、調査結果が出るまでに時間がかかることです。
結果が出るまで通常 1 週間ほどかかるのが一般的ですので、早く売却したい場合はなるべく早めの査定をおすすめします。
簡易査定は手軽ですが、必ずしも正確な査定額が得られるとは限りませんので、いくらで売れそうかの参考程度に考えておくと良いでしょう。
簡易査定の結果をもとに相場を確認し、売却するかどうかを判断し、売却する場合は訪問査定を依頼するのが一般的です。
家の査定価格を決める3つの計算方法
住宅の査定額を算出する方法は、大きく分けて 3 つあります。
それぞれの査定の計算方法をご紹介します。
➀取引事例比較法
似たような条件・データの物件を過去に売却した際の価格をもとに査定額を算出する方法です。
不動産業界は全国共通のデータベースを持っているので、過去の事例を簡単に調べることができます。査定サイトでの簡易鑑定の多くは、この取引事例比較方式を採用しています。
例えば、土地の価格であれば、過去の同一地域の取引事例から坪当たりの平均単価を求め、査定対象の土地の坪数をかけて査定額を算出します。
【例】60 坪の土地 A の査定額
土地 B:500 万円/50 坪 平均坪単価 10 万円/坪
土地 C:600 万円/40 坪 平均坪単価 15 万円/坪
土地 D:1,120 万円/80 坪 平均坪単価 14 万円/坪
上記の取引事例より、平均坪単価は 13 万円/坪
60 坪の土地 A の評価額は 60 坪×13 万円=780 万円となります。
戸建ての場合、個々の事情が大きくあまり正確な査定結果にはなりません。
個別事情が少なく、類似条件が多い都市部のマンションなどの査定に有効な査定方法です。
➁原価法
現在の建物を解体し、まったく同じ建物を建てた場合にかかる費用(再調達価格)を算出し、建物の老朽化分の価値を差し引いて(減価修正)評価額を求める計算方法。
原価法による、査定額=再調達価格×延床面積×減価修正(残耐用年数*÷耐用年数)
*残耐用年数=耐用年数-築年数
建物の構造により、再調達価格や耐用年数が設定されます。
例えば、木造住宅の再調達価格は 15 万円/㎡、耐用年数 22 年、鉄筋コンクリート住宅では再調達価格は 20 万円/㎡、耐用年数 47 年……といった形です。
※価格設定は業者によって異なります。
【例】築年数 18 年、延べ床面積 180 ㎡の木造住宅の場合の査定額
上記で挙げた再調達価格の例を元に計算する場合、木造住宅なので再調達価格が 15 万円、耐用年数が 22 年、残耐用年数は耐用年数 22 年-築年数 18 年となるので、計算式にすると次のようになります。
15 万円×180 ㎡×((22 年-18 年)÷22 年)=約 490 万円
一般的に戸建住宅の査定では、土地は取引事例比較法、建物は原価法が用いられることが多いです。
➂収益還元法
収益還元法とは、その物件が将来どのくらいの利益をもたらすかを予測し、査定額を算出する方法です。マイホームの査定というよりは、投資物件の査定で使われる計算方法です。収益還元法には、直接還元法と DCF(ディスカウントキャッシュフロー)法の 2 種類の計算方法があります。
直接還元法での査定額=年間家賃収入(利益)÷還元利回り
【例】年間家賃収入(利益)120 万円のマンションで還元利回りが 6%の場合
120 万円÷6%=2,000 万円
DSF 法とは、将来の家賃収入と予想売却価格を現在の価格に割り引いて査定額を算出する方法です。計算方法がややこしいのでここでは割愛しますが、投資用物件の場合はより正確な査定が可能です。
実際にはこれらの算定に加え、個別の状況を確認したうえで、経験に基づいた詳細な査定額を提示します。
家を高く査定してもらうためのポイントは?
査定時の重要な基準は、建物の構造と築年数です。
建て替えない限り建物の構造は変わりませんが、建物は時間とともに経年劣化していきます。建物の築年数は、査定額を算出する際の配点が大きいので、1 年経過するごとに査定額が大幅に下がっていくので注意が必要です。他の条件が変わらなくても、時間の経過とともに査定額は減少し、建物自体の価値が 0 になった後はマイナスになることもあります。そのため、自宅の売却を検討している場合は、できるだけ早く査定を依頼して高い査定額を得ることをお勧めします。
また、建物や設備に不具合や破損がある場合、査定額に影響を与える場合があります。
気になる箇所や損傷がある場合は、事前に不動産会社に修理やリフォームの必要性を相談するとよいでしょう。
きちんと伝えておかないと売却後のトラブルにもつながってしまいます。
売主が認識していなかった不具合は、売却後の契約不適合責任の対象となるのでご注意ください。
瑕疵担保責任の詳細については、こちらをご覧ください。
不動産を売却、契約する際に気を付けること
まとめ
・住宅の査定方法には、簡易査定(机上査定)と訪問査定(詳細査定)の 2 種類があります。簡易査定では、物件データと過去の情報を比較して査定額を出します。鑑定結果はすぐに出ますが、個別性の高い一戸建てなどでは正確な査定額を出すのは難しいです。
訪問査定では、簡易査定に加え、建物の劣化具合や周辺環境を考慮した現地調査も行い、査定額を提示しますので、精度の高い査定結果が期待できます。
・査定額の計算方法には、「取引事例比較法」「原価法」「収益還元法」の 3 つがあります。取引事例比較法は過去の類似条件の物件取引データをもとに計算し、原価法は建物の再調達価格から老朽化分を差し引いた金額に基づき算出します。戸建住宅の場合、土地は取引事例比較法、建物は原価法で算定することが多いです。投資物件の査定においては、主に収益還元法が用いられます。
・住宅査定のベースは、建物の構造と築年数です。構造を変えることはできませんが、建物は時間とともに古くなるので査定額も下がり、最終的にはマイナスになることもあります。家の売却を検討している場合は、早めに査定を依頼するのもポイントの 1 つです。
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