個人間で行う不動産の売却で押さえておくべき手続き・税金の話
目次
はじめに
こんにちは、エステートプランです!
不動産の売却や購入は、不動産会社に相談するのが一番です!
しかし、不動産仲介業者を通さずに個人間で直接売買することももちろん可能です。
今回は、不動産を個人間で直接売却する際のポイントのご紹介と、
売却時に必要な書類や税金についてもお話します。
最新情報は国税庁のHPにてご確認ください。
個人間での不動産の直接売買は可能?
不動産を売却する際は、不動産業者に依頼するのが一般的ですが、不動産業者を介さずに個人間取引として直接売買することも可能です。
不動産会社を利用すると安くはない額の仲介手数料がかかりますので、親族や知人などすでに売却先が決まっている場合は、不動産会社に依頼せずに直接取引した方がいいと思われる方もいるかもしれません。
しかし、個人間取引で注意したいのは以下の点です。
・適切な金額を設定できるか
・まだ買主がいない場合、買主を自分で探せるか
・契約書などの必要書類の準備・作成ができるか (住宅ローンに必須)
・登記関係の手続きは対応可能か、個人で対応できない時は司法書士に依頼する必要がある
・トラブルがあった時の対応を自分でできるか
当然ですが、不動産会社は不動産売買のプロです。
物件の査定・価格設定・買主探し・契約時の書類作成や手続きまでお手伝いいたします。しかし不動産会社を介さずに直接契約するということは、これらすべてを自分で行わなければならないということです。素人がいきなり自力でやるのはなかなか難しいと言えます。
一方、不動産の適正相場や売買の手続きについての知識があれば、不動産仲介手数料を省いて、お互いが納得できる価格での取引が可能なのでお得とも言えます。
不動産の個人間売買時に必要なものは?
個人間で、不動産を売買する際に必要な書類をご紹介します。
基本的には不動産会社を通す場合と同じですが、契約に関する書類のほとんどは売主側で用意する必要があります。
売買契約書
物件概要、住所、売買価格、支払いに関する取決め等を記載しています。
他にも、物件の引き渡しや所有権移転に関する取り決め、引き渡し後に契約が履行できなかった場合や物件に問題が生じた場合の取り決めなど、後々のトラブルを防ぐために様々な事項を記載する必要があります。また、売買契約書には収入印紙も必要です。
重要事項説明書
売買契約を締結するか否かを判断するための各種事項を記載した書類です。
契約を締結する前に重要事項説明書に沿って、物件の状態、契約条件、契約の解除、保険加入等について取り決めと説明を行い、買主が納得した場合は署名捺印します。
売買代金支払い時の物件の登記に関する手続きは以下の通りです。
●抵当権抹消登記
抵当権のある物件を売却した場合、売却代金で住宅ローンの残高を完済し、物件の抵当権を抹消します。
●所有権移転登記
物件の所有権登記を売主から買主に変更します。
住宅ローンの完済や売買契約が成立しただけでは、登録内容が変更されることはありません。
いずれにしても、申請書や印鑑証明などの書類をそろえて管轄の法務局で手続きをする必要があります。
ご自身で登記手続きを行うことも可能ですが、司法書士などの法律専門家に依頼されることをお勧めします。
個人間で不動産を売却した場合、税金はどうなりますか?
個人間で不動産を売買する場合、売買代金に消費税はかかりません。
個人所有の不動産の売買でも、不動産仲介業者を介して行っても同様です。
個人間の不動産取引で支払う必要がある税金は次のとおりです。
印紙税
不動産の売買契約書に貼る印紙代は、印紙税という税金にあたります。
印紙代は不動産の売却価格によって決まっており、価格が 500 万円を超え 1,000 万円以下の場合は 5,000 円、100 万円を超え 500 万円以下の場合は 1,000 円となります。
※契約書を平成26年4月1日から令和9年3月31日までの間に作成した場合
登録免許税
不動産の売却によって所有者が変わった場合、所有者変更の登記手続きが必要です。
この時に支払う手数料も、登録免許税という税金です。
登録免許税は不動産 1 つに対して 1,000 円となります。
不動産譲渡所得税
不動産を売却して利益が出ると、その利益に対して税金がかかります。税率は不動産の保有期間によって異なり、5 年未満は 30%、5 年以上は 15%です。利益は、売却価格から不動産の売却にかかった費用と、不動産の取得にかかった費用を差し引いたものです。
また、マイホームとして使用していた土地を売却した場合、利益が 3,000 万円以内であれば非課税となる特別控除や買い替え特例などもあり、個人所有の不動産の売却で所得税がかかるほど利益が出ることはそうないと思ってもよいでしょう。
ただし、確定申告を行うことで特別控除や買い替え特例を受けることができますので、不動産を売却した翌年に必ず確定申告を行ってください。
不動産売却の際にかかる税金についてはこちらでも詳しくご紹介しています。
家を売却した時の税金と特別控除について解説
固定資産税の支払い義務は売主と買主のどちらにある?
不動産を所有している人が支払わなければならない税金、固定資産税。
1 月 1 日現在の不動産所有者に課税されるため極端な場合、1 月 2 日に売却しても売主には1 年分の固定資産税が課税されます。
そのため、年度途中で不動産を売却する場合、売買契約書を交わした時点で売主と買主の税負担割合が決まり、買主の負担分を売主が物件の売却代金と一緒に受け取っておいて納税することが一般的です。
負担割合の算出方法は、1 月 1 日を起算日とし起算日から引き渡し日前日までは売主負担、お届け日以降は買主負担として日割り計算を行います。
関東では、1 月 1 日を起算日とするのが一般的ですが、関西では 4 月 1 日とすることが多く、いつ起算日を設定するかによって負担割合が変わるので、契約時に忘れずに確認したいポイントのひとつとなります。
まとめ
・不動産業者を通さずに、個人間で不動産の売買をすることは可能です。通常、不動産会社が行う買主探しや、適切な価格設定、関連書類を作成するなど、自分で手続きを行うことは大変ですが、知識があるのであれば仲介手数料を省いてお得に売却をすることができます。
・個人が不動産を売却する場合、売主は売買契約書や重要事項説明書など、売却に必要な書類を準備しなければなりません。また、不動産の所有権移転や抵当権抹消の手続きなども必要です。
・不動産を売却する際には、売買契約書に貼る印紙の「印紙税」、所有権変更の登記をする際の「登録免許税」、売却によって利益が出た場合は「不動産譲渡所得税」がかかります。マイホームの売却の場合、特別控除や特例があり、所得税がかかるケースはほとんどありません。個人所有の不動産の売却代金には消費税がかかりません。固定資産税は引き渡し日を基準として、一般的に売主・買主双方の負担割合が日割りで計算されます。
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