心を揺さぶるミュージカル
約10年前に、精神的に大きな壁にぶち当たり、八方塞がりで身動きが取れなくなった時に出会い、再度立ち上がる勇気をくれたミュージカル映画について紹介したい。
「レ・ミゼラブル」は、フランスの小説家ビクトル・ユーゴーが1862年に発表した長編小説で、その後ミュージカルや映画化など様々な形で世界中で愛されている。
このイラストは、かなり古くから多くの場面で使用されているようだが、思えば私が最初に出逢ったのは約30年前のロンドンの街中だった。
聞くところによると、「レ・ミゼラブル」のミュージカル公演だけのためのシアターがあるのだとか。当時の私は、あまり関心がなかったため、それを観に行くこともなく、パブやクラブを梯子する生活であった。
私がこの作品を好む理由は、人間の愛、希望、苦難、悲しみ、そして赦しといった感情が生々しく描かれており、音楽や映像、演出により更に心を揺さぶられるからだ。
作品のストーリーは、主人公のジャン・バルジャンが、自らの過去や現在の苦難を乗り越え、他者を愛し、自らも愛される存在へと変わっていく様子が描かれる。このような内面の葛藤や成長、そして愛や赦しの力といったものを、ここまで深く考えたことは、この作品を観るまでなかった。
その時の私自身の葛藤と重なり、何をどう考えて越えていったら良いのかを示してくれた作品である。
作品を観終えた私は、救われた喜びに感動で涙が止まらなかった。それをきっかけに自分の弱さを認め、自己防衛のためにまとっていた硬くて分厚く重い鎧を一つづつ取り除く決意をした。
その結果、身軽になることで本当の自由を手に入れた。
真の強さは、皮肉なことに弱い自分と真っ向から向き合い、認めることでしか、決して得ることができないものだとその時に悟った。その勇気と力こそが自分を最強にするのだと。
それ以来、私の自己開示が止まらない(笑)
これからも、誰であろうが、初対面であろうが相手を信じ、尊び、本気で自身の弱さを開示していく所存だ。