古民家の売却・買取は可能ですか?不動産の活用方法を解説!
はじめに
こんにちは!
エステートプランです。
田舎の実家などの、築年数が古い家の扱いにお困りではありませんか?
築30年以上も経つと、老朽化によるトラブルもあるでしょう。 売ろうとしても買い手が見つからない気がしますが、解体して更地にすることが常に良いとは限りません。建物が古くても売却できる具体的な事例や、古民家解体のデメリットについて解説します。
意外と知らない!?古い家の解体にはデメリットがある
古くて老朽化した家は誰も買わないだろうと考え、更地にして売りに出すことを検討するかもしれません。
確かに不動産売却としては有効な手段の一つですが、更地には大きなデメリットがあることをご存知でしょうか?
デメリット①土地を更地にすると固定資産税が 6 倍になることも!
建物のある土地の固定資産税は、土地のみの場合の 6 分の 1 まで軽減されます。
これは、「住宅用地の軽減措置特例」により 200 平方メートル以内の敷地に適用される特例です。 200 平方メートルを超える部分については 3 分の 1 まで減額されます。
建物を取り壊して更地にすると、この軽減措置を受けられなくなるため、固定資産税が最大 6 倍に跳ね上がります。
ただし、家が建っていても特例が適用されない場合があります。 「特定空き家」に指定されている場合です。「空家対策特別措置法」により、自治体が倒壊のおそれのある「特定空き家」に指定した場合、宅地の軽減措置特例は適用されなくなり、土地として扱われます。
朽ち果てるほど放置しても意味がありませんが、定期的なメンテナンスができるのであれば、古い家は売却するまでそのままにしておく方が固定資産税の節税になります。
デメリット②再建築不可物件を更地にすると家が建てられない
再建築不可物件とは、建築基準法上の接道義務を満たしていない土地に建てられた建物のことです。道路に 2m 以上接していないなど規定に合わない物件は、リフォームは可能ですが解体すると建築許可が下りず、新しい家は建てられません。
現在の建築基準法が施行される前に建てられた古い物件に多く見られます。新築に使えない土地は資産価値が低いため、相場より大幅に安くても買い手が全く現れない可能性があります。
デメリット③解体費用がかかる
更地にする場合は、家を解体する費用がかかります。
また、フェンスや庭木がある場合は、それらを撤去して整地し、見栄えを良くする必要があります。
こうした費用負担もデメリットのひとつです。
古民家でも売却できる 4 つの事例
国土交通省の統計によると、2018 年の住宅販売全体に占める中古住宅の割合は 14.5% です。これは、アメリカの 81.0%、イギリスの 85.9%、フランスの 69.8% に比べて非常に低い値です。
とはいえ、近年は中古住宅を購入する層は着実に増えており、築年数の古い家も売却できています。新築住宅を購入する人が圧倒的に多い日本で、なぜ築年数の古い家を売却できるのか、その要因を見ていきましょう。
ケース①魅力的な立地
築年数が古い家の中には、都会の中心部に建っている家もあります。
一般的に、駅徒歩圏内で商業施設や医療施設に近い都心の物件は、価格が高すぎて手が出ません。ただし、築年数の古い家だと比較的安価であるため、売却が容易になる可能性が出てきます。
郊外の一軒家はどうでしょう?利便性を重視する人は興味がないかもしれませんが、セカンドライフとして農林業に携わりたい人には魅力的です。また、定年退職後は自然豊かな場所で余生を過ごしたいと考え、眺望の良い中古住宅を探す人もいます。
今はライフスタイルが多様化しています。新築・中古問わず、自分のこだわりポイントで物件を探す方は、築年数の古い家屋でも購入の候補に入るのです。
ケース②古い建物自体に魅力がある
現在の住宅は外壁にサイディングボードを張った無機質な建物が大半を占めていますが、風情のある古民家を求める人も増えています。
多くの古民家は土壁や焼き杉板張りなど自然素材で仕上げられています。柱や梁がむき出しになった真壁造りが主流です。
現在、この工法を実施できる職人は少なく、多額の費用がかかります。今では手に入りにくい伝統的な木造家屋に惹かれる方も多いです。
ケース③用途変更することによって再生可能となる
住居としてだけでなく、店舗や事務所としての用途にも大きな可能性があります。
テナントを建てるのではなく、狭いスペースを自分好みにリノベーションしたいというニーズはたくさんあります。立地や環境など、条件に合う古民家を探す方もいるのです。
ケース④買取専門業者へ売却する
ケース ③ のような一部の古い家屋は、住宅以外の用途に適していることがあります。店舗、宿泊施設、福祉施設、賃貸住宅、シェアハウスなど、新たな用途の活性化事例も多数あります。
しかし、個人が需要をキャッチして買い手を見つけるのは至難の業です。一方、中古住宅買取の専門業者であれば、全国の情報ネットワークを通じてユーザーの最新のニーズを把握しているため、最適な利用方法を見つけることができます。
買取専門業者に売却すれば、一般の査定価格よりも安くなりますが、買い手が全く現れない場合を想定すると、有効な選択肢の一つと言えます。
古い家が敬遠される 6 つの要因
総務省の住宅・土地統計調査によると、空き家は、過去 20 年間で 448 万戸から 820 万戸に増加しています。
この中には、売りたくてもまったく売れない、築年数の古い家が相当数含まれています。
なぜ古い家は売れにくいのか、その要因を紹介します。
原因①耐震性能に不安がある
日本は東日本大震災をはじめ、多くの地震災害を経験し、耐震基準を引き上げてきました。
このため、昔に建てられた家の中には現在の耐震基準を満たしていないものや、構造用合板やホールダウン金物等など耐震に不可欠な建材を使用していない物件もあります。
地震の多い国として、耐震性は買い手にとって最も重要な要件の 1 つです。趣のある和風が魅力的でも、現在の耐震基準を満たしていない建物は不安になります。購入をためらうのも不思議ではありません。
原因②構造材が腐朽している可能性がある
古い家屋では、構造材である木材が損傷している場合もあります。
特に水は大敵です。雨漏りや水道管の水漏れなどで長期間湿った状態が続くと、木材が腐ってしまうだけでなく、シロアリを招き入れてしまいます。
見えないところで木が腐っているかもしれません。これは、購入希望者にとって不安材料となる可能性があります。
原因③断熱材がない
古い家には、断熱材がまったく無いことがよくあります。
木造住宅の場合、壁や床に断熱材が入っていないと、夏の暑さや冬の寒さがダイレクトに伝わるので、購入をためらう人もいます。
原因④設備機器がいつ故障するか分からない
建物はもちろん、付属設備も古いタイプのものが多いです。故障による買い替えで入居後の負担増は誰もが避けたいものです。その点を危惧する人も少なくありません。
原因⑤再建築不可物件となっている
再建築不可物件は、建て替えや増築が禁止されているため、いくら築年数が経っても延命するにはリフォームしかありません。
しかし、素人にはどこまでリフォームできるか分からないため、古民家を購入するのはなかなか難しいものです。
原因⑥敷地境界が曖昧
現在、地籍測量図は GPS を使用しているので非常に正確です。
しかし、古民家の場合、隣の土地の所有者となんとなく決めただけで、境界が決まっていないケースが意外と多いのです。隣人と顔見知りであればトラブルは起こりにくいですが、土地の売却により所有者が変わった場合、敷地境界の曖昧さがトラブルの原因となることがあります。不安要素が大きく、売りに出しても買い手がなかなか見つかりません。
古い家を売却するには購入者の不安を解消すること
築年数の古い家には、それぞれの魅力があり、購入を希望する人も多いです。
また、新築よりも低価格で購入できるため、上記の不安が払拭できれば、さらに販売促進の可能性が広がるはずです。
ではどうすれば、不安を解消できるのでしょうか。
① 土地家屋調査士に依頼して境界を確定させる
築数十年の古民家の場合、土地が古い測量技術で測った不正確な面積であったり、そもそも地積測量すらされていなかったりすることも珍しくありません。
敷地境界があいまいな場合は、土地家屋調査士に測量を依頼し、後で隣地と無用なトラブルを起こさないよう境界を明確にしておきましょう。
隣地の所有者立会いの下で境界を確認することで、土地の境界に関するトラブルを解消することができます。その際に、隣地の所有者と境界確認書を交わしておくと、さらに購入者の不安要素を減らすことができます。
② 建築士に用途変更のリノベーションを依頼する
住宅から店舗、宿泊施設など、購入者の目的に合わせてリノベーションするのもいいでしょう。
そんな時は、建築士に相談するのが一番です。古民家の柱や間仕切りを撤去するなど、どこまでできるか検証してもらえます。
また、100 平方メートル以上の面積を飲食店、小売店、旅館などに用途変更する場合は、用途変更の建築確認申請が必要です。
建築士に依頼すれば、こうした手続き面でのアドバイスを受けることもできます。
③ 住宅診断士に依頼して、不安を解消する
住宅診断士とは、住宅に欠陥や劣化などがないか診断し、アドバイスを行う資格を持った建築士のことです。売主側、買主側どちらにとっても、住宅診断士に依頼することはとても重要です。
売主の希望があれば、売却前に家の状態を把握できるので、状況によっては売却前に修繕することも可能です。
あるいは、その不備を事前に明らかにすることで、契約不適合責任に問われるリスクを軽減することができます。
また、購入希望者にとっては、住宅検査証明書があると安心感があります。買主側が依頼する意義は、購入を決定するための重要なデータになることです。住宅の欠陥を把握することで、許容範囲を超えているかどうかを判断することができます。
まとめ
築年数の古い家は、「こんな古い家は誰も買わないだろう」「更地にしないと売れないだろう」と思いがちですが、立地や用途の変更次第では、まだまだ需要が見込めます。
ですが、実際の購入に至らない最大の理由は、中古住宅の信頼性が大きく損なわれていることです。
古民家でも安心して購入できる環境を整えるために、専門家を積極的に活用しましょう。
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