世界で最も貧しい大統領
私が尊敬するリーダーの一人に、ウルグアイの政治家、ホセ・ムヒカという人がいる。
彼を初めて知ったのは、数年前に何となく観ていたYouTube動画だった。
2012年の国連総会での演説で、とても力強いメッセージを送っていたのが、鳥肌が立つほど印象深いものだった。
この演説で彼は、人間の尊厳や平等、環境保護など、世界が直面する問題について言及し、他人事ではなく、我々一人一人の問題であると述べていた。
彼は「世界で最も貧しい大統領」として知られており、在任中には、自らの給与の大半を慈善活動や貧困層支援のために寄付するなど、倹約や公正さにも注力した人物だ。
私は政治のことが正直よくわからないし、期待をしたこともないのだが、彼の言葉はとてもわかりやすかった。
人としての生き方が本来どうあるべきか、原理原則を語っていたに過ぎない。
大統領までなった彼にとって、国連総会での演説は、自身のキャリアにはあまり意味をなさないものではなかったのではないかと思う。
直接、自国へのメリットもさほど無いだろうから、無難に当たり障りのないことを話して、その場を切り抜けようという者も多かったはずだ。
しかし彼は、その中でただ一人声を張り上げて語った。
「我々、政治家が変わらなければならない」と。
世界平和を願うのは、誰しも同じではあるが、有言実行しようとするリーダーは数少ない。
彼の勇気と責任感に感銘を受け、微力ながら私にできることは何かを深く考えさせられた瞬間であった。
そのスピーチの中で語った彼の名言を最後に添えたい
「貧乏な人とは、少ししか持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」