土地や空き地の効果的な活用について。その3〜等価交換・定期借地・売却のメリット・デメリット
目次
はじめに
所有地の特性を活かして収益を最大化するには、マンション・アパート経営や駐車場、太陽光発電など、さまざまな手段があります。空き地をそのまま放置して無駄な税金を支払い続けることがないように、最適な活用方法を見つけることが重要です。
土地活用に関する基本的な知識を紹介する2回目の記事では、自己利用のための8つの方法を説明しました。しかし、自己利用に伴うリスクを避けたいと考える読者もいるでしょう。
そこで、この記事では、共同利用や売却など、自己利用以外の手段についても説明します。目的や土地の立地条件に最適な土地活用方法を見つけるためのヒントとして、参考にしてください。
「共同活用」するメリット・デメリット
自己資金で住宅や商業施設を経営する代わりに、リスクを抑えたいと思うなら、土地を共同活用する方法が良いでしょう。一般的な共同活用方法である「等価交換」の利点と欠点を見てみましょう。
等価交換は、土地の所有者が土地を提供し、デベロッパーが建物の建設費用を負担して建物を建設する方法です。出資比率に応じて建物の所有権を得ることができ、その分の収益を得ることができます。
建物の建設費用が不要であるため、土地を提供するだけで収益を得ることができ、金銭的なリスクを抱えずに土地を有効活用できる点が魅力です。また、等価交換には税金の優遇措置があり、固定資産税や都市計画税、相続税の面でも節税効果が期待できます。
しかし、等価交換後は土地の価格に相当する建物や土地の区分所有権を得るため、自由に管理することができないというデメリットがあります。また、等価交換できる土地は限られており、特に重要なのは立地条件です。デベロッパー側が収益を見込めると判断した土地でなければ契約が成立しません。さらに、賃貸として運用する場合、デベロッパーの計画によって収益が大きく変動するため、優良なデベロッパーとの出会いが重要です。
【メリット】
土地を提供するだけで収益を得られる
節税効果がある
【デメリット】
区分所有になり、自由な管理ができない
優良なデベロッパーを見つけるのが難しい
【適している土地】
都心など、人が多く集まる場所で大規模な建物を建設可能な土地
「借地として活用」するメリット・デメリット
所有する土地を貸し出す方法の一つが、「定期借地権」を利用した土地活用です。この方法にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
定期借地は、所有地を一定期間で貸し出す契約方法であり、期限が来たら契約の延長や更新なしに土地が返還されます。通常、建物の建設は借地人が行います。初期投資が必要なく、かつ借地契約は10年単位で長期にわたり、安定した収益が期待できます。
借地料の相場は通常、固定資産税の3倍程度です。そのため、収益性は低く、契約期間中の賃料変更ができない点がデメリットとなります。
【メリット】
最終的に土地が返ってくる=所有権は譲渡しない
初期費用が不要
安定的な収入を見込める
【デメリット】
賃貸期間中に賃料を変更することができない
収益性が低い
「土地売却」のメリット・デメリット
土地を売却する方法です。売却すれば、一括で現金を手に入れることができ、固定資産税や都市計画税などの税金を支払う必要がなくなります。また、空き地の管理にかかっていた費用も不要になります。
しかし、土地を売却すると、土地を活用して持続的に収益を得ることはできなくなります。売却時には、仲介手数料などの費用に加えて、得られた利益に対する譲渡所得税などもかかるため、注意が必要です。
【メリット】
現金化が可能
売却後は税金の支払いが不要になる
管理や維持にかかる手間や費用が不要になる
【デメリット】
売却に伴う利益には譲渡所得税などの費用がかかる
将来的な収益を得ることが不可能になる
あなたに最適な土地活用は?種類別おすすめの土地活用方法
最後に、各種タイプごとのおすすめ土地活用法をご紹介します。
高い収益を目指すなら
高い収益を望む場合は、以下の土地活用法が適しています。
・アパート・マンション経営
・介護施設経営
・商業施設経営
これらの方法は、適切に運営すれば長期的な高い収益が見込めます。ただし、それぞれの立地条件に合ったものを慎重に選ぶ必要があります。初期投資額が大きく、リスクも高いことに留意しましょう。
都市部に土地があるなら
都市部に所有する土地では、以下の土地活用法が適しています。
・マンション・アパート経営
・商業施設経営
・駐車場経営
都市部では土地の広さに応じて活用方法が異なります。広い土地であればアパートや商業施設が適していますが、狭い場合は駐車場が適していることもあります。立地条件や市場需要を考慮しましょう。
地方(田舎)に土地があるなら
地方に所有する土地では、以下の土地活用法がおすすめです。
・太陽光発電設置
・戸建て賃貸経営
・トランクルーム経営
・売却
地方では、ファミリー層向けの戸建て賃貸やトランクルームが需要が高いです。しかし、需要が見込めない場合は思い切って売却することも検討しましょう。
リスクを低く抑えたいなら
リスクを抑えたい場合は、以下の土地活用法が適しています。
・駐車場経営
・トランクルーム経営
・共同活用
・借地
これらの方法は初期投資が少なく、リスクが低いため、安心して始めることができます。
転用性の高さで選ぶなら
転用性の高い土地活用法を選ぶ場合は、以下の方法が適しています。
・駐車場経営
・トランクルーム経営
これらの方法は、将来的に他の活用方法に変更しやすい特性を持っています。リスクを最小限に抑えながら柔軟な土地活用が可能です。
土地活用は専門家に相談を
これまでご紹介したとおり、土地の活用にはさまざまな方法があり、土地ごとに適した方法が異なります。また、高い収益を得たいのか、リスクを抑えつつ安定的な収益を得たいのかなど、目的に応じて最適な活用方法が異なります。
しかし、どのような活用方法を選ぶにせよ、土地の法規制や周辺環境などの事前調査は欠かせません。実際に適した土地活用を見極めるためには、不動産業者などの専門家に相談することが重要です。
その際には、1つの業者だけでなく複数の業者からプランを提案してもらい、その中から適切なプランや信頼できる業者を選ぶことが大切です。
まとめ
土地や空き地を有効活用するための知識を3回にわたって紹介しました。土地を放置していると、税金などの負担がかさみますので、有効に活用して資産価値を高めていくことが重要です。
土地活用にはさまざまな方法があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。まずは自分の重視するポイントを明確にし、所有地の特性を考慮して最適な土地活用を選択しましょう。
適切に活用すれば、将来にわたって収益を得ることができるでしょう。
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